詩人の谷川俊太郎さんが死去した。全国の学校の校歌や学歌を作詞してきた谷川さん。北海道内でも札幌市立の中高一貫校、札幌開成中等教育学校や中標津町の中標津東小などに歌詞が残り、生徒や児童に歌い継がれてきた。製菓の六花亭(帯広市)の社歌も書いた。
「校訓でもある『山あり 空あり 大地あり』から始まる校歌は、北海道の風景が目に浮かぶ。宝物です」
札幌開成高校(当時)の卒業生、古川奈央さん(55)は、谷川さんが作詞した校歌を、そう表現する。古川さんは校歌が縁となり、札幌市中央区南3条西7丁目で谷川さん公認のカフェ「俊カフェ」を経営する。
在学中は校歌に関心がなかったが、東京で働いていたとき、「校歌の人だ」と、谷川さんの詩集『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』を手に取った。当時のバブルの世相とは正反対の、静かな詩の世界観に魅了され、ファンになった。
校歌は開校2年後の1964年、30代の気鋭の詩人だった谷川さんに、当時の校長が「おもしろい詩人が出てきた」と、作詞を依頼。谷川さんはTシャツ姿で同校を訪れ、タマネギ畑が広がる校舎からの風景を見ながら生徒と語り、歌詞を構想したという。
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